以前、仕事先のお昼で、居酒屋らしき店のランチがエラく美味しくて…ということがありました。そのときは『ハンバーグ定食』をお願いしたのですが、手づくりなそれは“ああっ!これがあのおふくろの味というヤツか!”と、まるで実家に帰省してるかのような感動の味わいで、特に若いサラリーマンが客層に多いのも何となくうなずけるような…そんな店だったんですよね。
そんな彼等は異口同音に『メンチカツ定食』を頼んでて、へぇ人気あるんだな…と思ってたんです。で、しばらくこの界隈では昼を挟むこともなかったので、ようやく今ごろ再訪がかないました。
ちょっと遅くなって11:45頃の訪問となりましたが、客席はほぼ埋まってて相席に。でも皆さん、食べ終わったら次のひとのためにさっさと席を立ってましたし、好い感じに回転してました。この辺、江戸的な気遣いですね。
そして、注文はもちろん『メンチカツ定食』なのですが…
出てきたそれに驚いてしまいました。わたしはてっきり、楕円形で茶色い揚げ物に庖丁が入ってるそれをメインとした皿が出てくるものとばかり思ってましたから、この一見『ハンバーグ定食』かと見間違うかのような…いや待て、前回頼んだハンバーグ定食のハンバーグは一個だったし、おかーさんは確かに「メンチお待ちどう」と言って持ってきたぞ。
これ、確かにメンチカツなんですが、ハンバーグとも肉団子とも…いや元は同じようなものなんじゃないかと思うのです。焼けばハンバーグだし、衣をつけて揚げればメンチカツだし…みたいな。
ただ、衣が極端に薄いんです。パン粉バリバリで全体がブラウニーとかじゃありません。で、これがとんでもなく美味しかったんですよ♪
箸を入れれば弾けるが如くあふれ出す肉汁…口に入れれば「あひあひあひ!」と、言葉にならない語句を発するほどにアツアツなのですが、その次には同様に思わず「ほいひー(泣)!」と叫びたくなるような美味しさ。また、肉も粗挽きでタマネギも粗みじんなところも新鮮な食感で、これはご飯が進みます。しかも付け合せのきんぴらも美味しいし…ここが“ご飯・味噌汁お替り自由”なのも、それくらいにおかずの美味しさに自信があるからかも。
とはいえポテサラもドッサリだし美味しいし、年齢的にもおかわりは遠慮いたしましたが。
ハンバーグなどの専門店でも洋食の専門店でもないのですが、こんなメンチカツはそれこそ、へその緒を切って以来初めていただいた…そう思うほどの逸品でした。
この日も多くの皆さんが異口同音にメンチカツを頼んでおられましたが、その気持ちはよく理解できました。これ、確実にまたいただきたくなりますよ。
ここでふと振り返れば…わたしは結構あちこちでメンチカツ定食を食べてるな、と。印象深いのは稚内『ボリューム亭』のそれですが、巨大だけどふっかふかなそれはしあわせを感じるメンチカツ定食でした。
で…今回のこれ、対照的かも。いわゆるメンチカツとは見た目も違うし小さいんだけど、旨みがギュッと凝縮されてる、みたいな。
次の機会は3月なのですが、その際もまたメンチカツにするか、一方で他もきっと美味しいに違いないし…悩みが増えた、寒い日のお昼でした。
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